足が悪くても行ける観光地を大分で探したい｜別府と由布院を“歩かない温泉旅”で楽しむバリアフリー術

坂や階段の多い温泉地でも、事前準備と動線づくりで「歩かない温泉旅」は十分に実現できます。

本稿は足が悪くても行ける観光地を大分で探す方に向け、別府と由布院を中心にバリアフリーで楽しむコツを体系化しました。

地獄めぐりや金鱗湖周辺の回りやすい区画、扉から扉へ移動する設計、休憩とトイレの確保まで具体的に解説します。

足が悪くても行ける観光地を大分で安心に楽しむ基本設計

足が悪くても行ける観光地を大分で無理なく楽しむには、扉から扉へ直結する移動と、平坦区間に内容を集約する設計が近道です。

上下移動は必ずエレベーターに置き換え、坂や長いスロープを避けるだけで、痛みと疲労の増幅を大幅に抑えられます。

家族や同行者がいる場合は役割を固定し、30〜40分ごとの着席休憩を「最初から」予定へ組み込みましょう。

移動は扉から扉へ

駅・駐車場・宿・観光施設の各区間は、短距離でも配車や送迎を使って出入口同士を結ぶのが鉄則です。

降車ポイントは「エレベーター至近」や「バリアフリー入口」を指名し、乗降に余白時間を設けると安全です。

• 降車はエレベーターやスロープに最も近い入口を指定する
• 乗降に時間が必要な旨を事前にドライバーへ共有する
• 帰路の迎車は到着時に予約して立ち待ちを避ける
• 雨天は屋根付きの車寄せを優先する
• 写真撮影や買い物は最後に一括で寄る

坂を避ける地図術

坂の多い温泉地では、標高と導線を先に把握すると歩数が激減します。

海沿い・湖沿いなどのフラット帯に滞在を寄せ、縦移動は乗り物で置き換えます。

標高帯	想定エリア	方針
0〜20m	別府海沿い・親水公園	横移動中心で徒歩可
20〜60m	地獄めぐり周辺	区画間は配車で接続
600〜650m	由布院盆地・金鱗湖	湖畔の平坦部へ集中

休憩のリズムを固定する

痛みは「立ち止まりの連続」で増幅します。

見学30分ごとに必ず着席し、食前後は10分の安静時間を確保するだけで、終盤まで体調が安定します。

• 30〜40分ごとに座る時間を必ず挿入する
• 写真は最初の10分で撮り切って長居を防ぐ
• トイレは見つけたら立ち寄る運用にする
• 水分は少量をこまめに補給する
• 冷え対策に膝掛けや薄手の上着を持参する

連絡と予約で段差を消す

施設へ前日までに連絡し、バリアフリー入口や近接降車、貸出備品の有無を確認します。

当日は受付で「段差の少ない導線を利用したい」旨を最初に伝えると、最短ルートを案内してもらえます。

• 貸出用車椅子・シルバーカーの在庫とサイズを確認する
• 多目的トイレの位置と鍵の要否を聞く
• 混雑帯を避けた入場枠や整理券の運用を確認する
• 降車場所の指定と再乗車の合図を取り決める
• 緊急連絡先を同行者と共有する

持ち物と装備の最適化

荷物は軽く、両手が空く構成が安全です。

杖先ゴムや雨具、ブランケットなどは取り出しやすい上部ポケットに集約しましょう。

品目	目的	ポイント
杖先ゴム予備	滑り防止	濡れた床での交換に備える
ブランケット	冷え対策	膝と腰の保温に有効
モバイルバッテリー	連絡手段確保	迎車連絡の電池切れ防止
保冷バッグ	土産持ち運び	片手で持たず背負う

別府を“歩かない”で楽しむコツ

別府はエリアが広い一方で、平坦な区画や館内完結の施設をつなげば歩数を抑えられます。

「地獄めぐり」は徒歩一体型にこだわらず、見たい区画だけを配車で点と点で結ぶ発想が安全です。

駅周辺や海沿いはベンチとトイレが見つけやすく、休憩を挟みながら短時間滞在で満足度を確保できます。

地獄めぐりは点で結ぶ

各地獄の入口直近へ配車し、短時間で鑑賞と撮影を終える一筆書きが有効です。

段差や導線の把握に役立つ目安表を参考に、無理のない順番へ調整しましょう。

区画	導線の目安	座れる場所
海地獄	入口〜池縁は比較的フラット	庭園ベンチ
鬼石坊主地獄	舗装路中心で周回可	園内ベンチ
白池地獄	館内展示で着席しやすい	ロビー椅子
血の池地獄	入口直近で眺望撮影可	物販前ベンチ

駅周辺と海沿いで完結させる

別府駅周辺から海沿いの親水公園は平坦区間が多く、短時間の散策とカフェ休憩で「座って楽しむ」構成に向きます。

買い物は入口近くの店舗に絞り、支払いはキャッシュレスで会計時間を短縮しましょう。

• 駅→海沿いは配車で扉間移動にする
• カフェと多目的トイレの位置を先に把握する
• 写真は最初の10分で撮り切る
• 土産は一店舗でまとめ買いする
• 帰路の迎車は休憩前に手配する

温泉は貸切や家族風呂を活用

段差や脱衣導線に不安があれば、貸切風呂や家族風呂を選ぶと安全です。

浴室の手すりやシャワーチェアの有無を事前確認し、入浴時間は短めに設定しましょう。

• 入口段差の有無と手すり位置を確認する
• シャワーチェアや滑り止めマットを依頼する
• 入浴は短時間で複数回に分ける
• 脱衣所に椅子がある施設を選ぶ
• 入浴後は温かい飲み物で体温を戻す

由布院を“歩かない”で味わう手順

由布院は金鱗湖周辺の平坦帯に内容を集約すると、歩数と勾配を同時に抑えられます。

盆地特有の気温差に備え、膝掛けや薄手の上着を用意し、写真は最初にまとめて撮影して長居を避けます。

湖畔のベンチとカフェを軸に、「見る→座る→移動」のリズムで負担を安定させましょう。

金鱗湖周辺のフラット導線

湖畔は短い周回で景色が変わり、座りながら楽しめるポイントが多いのが利点です。

導線と休憩の目安を表で確認し、滞在を60〜90分に収めると快適です。

地点	導線の目安	休憩
湖畔デッキ	フラットで車椅子可	ベンチ多め
湖畔カフェ	入口段差少なめの店を選択	座面高を優先
近接土産店	入口近くの店舗に限定	短時間で一括

移動は短距離配車に置き換える

駅・宿・湖畔の移動は短距離でも配車を使い、乗降は段差の少ない出入口を指名します。

帰路の迎車は湖畔の休憩に入る前に手配し、立ち待ちをゼロにします。

• 駅〜宿〜湖畔は配車で扉間移動にする
• 乗降場所はスロープやEVに近い出入口を指定する
• 写真は到着直後にまとめ撮りする
• 午後は気温差に備えて着脱しやすい服装にする
• 迎車は休憩前に時刻を確定する

カフェで“座って楽しむ”を主役に

眺望カフェやギャラリー併設の店を選ぶと、鑑賞と休憩を同時に満たせます。

入口段差と通路幅、トイレの位置を基準に店を選び、ピーク帯を外して座席を確保しましょう。

選定基準	見る点	効果
入口	段差の少なさ	乗降の負担軽減
座席	座面高・肘掛け	立ち座りが楽
導線	通路幅とトイレ距離	迷い歩き削減

扉間移動の交通設計

大分の温泉地は見どころ間の距離があり、配車やレンタカーの使い分けで歩行を最小化できます。

雨天や混雑を見越し、屋根付きの車寄せやエレベーター近接出入口を事前に特定しておきましょう。

公共交通を使う場合も、最寄り出入口とエレベーター位置の確認が鍵になります。

配車・タクシーを使い切る

短距離でも配車をためらわず、降車は「エレベーター前に横付け」で統一します。

乗降に時間がかかる旨を先に伝えるだけで、焦りと事故リスクを下げられます。

• 降車ポイントはEVやスロープ至近を指定する
• 乗降時間の確保をドライバーへ依頼する
• 復路の迎車は滞在開始時に予約する
• 雨天は屋根付きの庇下を指定する
• 支払いはキャッシュレスで短時間化する

レンタカーと駐車場の選び方

自走の場合は駐車位置が歩数を左右します。

身障者用区画や出入口至近の枠を優先し、バックで出やすい位置を選ぶと復路も安全です。

項目	基準	ポイント
駐車区画	出入口至近・広め	ドア開閉と乗降が楽
動線	段差なし・屋根有	雨天でも安心
返却	ガソリンスタンド近接	歩行ゼロで完了

列車でのアプローチ

駅構内はエレベーター位置とバリアフリー改札を事前に確認し、改札から最短の出入口へ向かいます。

到着直後にベンチで体勢を整え、配車の到着を座って待ちましょう。

• エレベーター位置とバリアフリー改札を事前確認する
• 改札外の車寄せを地図で特定しておく
• 到着直後に5分の着席休憩を入れる
• 配車は列車到着時刻の10分後に設定する
• 荷物は同行者が先に受け取りに回る

家族で安心に楽しむ運用術

同行者の役割を固定すると、本人は歩行に集中でき、立ち止まりや向き直りが減ります。

タイムテーブルを緩く組み、体調に応じてブロックごとに短縮や置き換えができる余白を持たせましょう。

トラブル発生時は「座る→温める→連絡」の順で安全を確保します。

役割分担の型

前方確認・席確保・会計・連絡の四役を分けると、待機時間と歩数が同時に削減されます。

写真は同行者が担当し、本人は座って待つ運用に切り替えます。

• 前方確認役が段差と混雑を先読みする
• 席確保役がベンチやカフェを先取りする
• 会計役がキャッシュレスで短時間化する
• 連絡役が配車と施設への連絡を担う
• 写真は同行者が撮り本人は座って待つ

一日のタイムテーブル目安

見学と休憩を交互に挟むと、終盤まで体調が安定します。

配車は各ブロックの終わりに寄せ、出口での立ち待ちを発生させません。

時間帯	内容	ポイント
午前	館内見学	30分ごとに着席
正午	昼食	通路幅と座面高を優先
午後	湖畔・海沿いで滞在	フラット導線で短時間
夕方	カフェ休憩→帰路	迎車を事前予約

トラブル時の初動

痛みや冷えを感じたら、まず座って体勢を整えます。

温かい飲み物やブランケットで体幹を温め、必要なら予定を即時短縮して配車を呼びましょう。

• 「座る→温める→連絡」の順で対処する
• 無理をせずブロック単位で予定を短縮する
• 薬は飲み忘れがないようアラームを設定する
• 転倒リスクがある床材は歩幅を小さくする
• 夜間移動は明るい導線だけを使う

別府と由布院を歩かず味わう要点

別府は地獄めぐりを「点で結ぶ」配車設計と、駅周辺・海沿いの平坦帯での滞在が近道です。

由布院は金鱗湖周辺に内容を集約し、湖畔カフェとベンチで「座って楽しむ」を主役に据えれば、歩数と勾配を同時に抑えられます。

共通解は扉から扉へ移動、30〜40分ごとの着席、連絡と予約の徹底です。小さな準備を積み重ね、足が悪くても行ける観光地としての大分を安心して満喫してください。